ホワイトデー当日模様


 フレイヤが自分の部屋に来るのを待つサボ。十時をすぎてようやくやってきた。
「遅ェぞ」
「ごめんね。先輩たちからお礼だって言っていろいろもらったんだけど、そのあと話が弾んで盛り上がっちゃった」
「通信部の奴らにも渡してたのか? 律儀だな」
「お世話になってるんだから当然だよ。もともと私は革命軍の人間じゃないんだし、だから本当はお礼なんていらないんだけど、先輩にどうしてもってお願いされたから受け取った」
「お返しがどうしてもっつーのはおかしな話だな」
「だよね。だから私も変な遠慮はせずに、きちんと受け取ったよ」
 両手で抱えてる袋の中にクッキーやチョコなどのお菓子が大量に入っているのが見えた。
「じゃあ、今度はおれから渡していいか」
「あ、やっぱりサボもお返しくれるの?」
「当然だろ。そういうイベントだってイワンコフが言ってたんだ」
「そっか、イワンコフさんに教えてもらったんだね。ありがとう」
「少し待っててくれ」
 棚の引き出しにしまっておいた長方形の箱を取り出したサボは、フレイヤの目の前にそれを差し出す。
「わ、すごい。随分大きいみたいだけど、お菓子じゃないよね……?」
「開けたらわかる」
 それだけ言って彼女に開けるよう促したサボは、包装紙を丁寧にはがしていく光景を眺めていた。そして箱の蓋を開けた途端、
「え、わ、お花!? しかもバラ。かわいい! あ、これよく見たらお風呂に浮かべる用だ」顔を綻ばせて子どもみたいに嬉しそうにする彼女を見てようやく胸をなでおろした。どうやら正解だったみたいだ。
「コアラが言ってた。バラ風呂は女の憧れだって。フレイヤもそうなのか?」
「それはまあ一度は入ってみたいって思ったことあるよ。花の香りがするお風呂なんて贅沢だから普段はできないし、使うのが楽しみ!」と、元貴族とは思えない発言に思わず笑みがこぼれた。
「よし。じゃあ早速使ってみるか」
「え?」
「見てるだけじゃ意味ないだろ」
「そうだけど、でも……一緒に入るの?」
「なんだよ。おれは入っちゃいけねェのか?」
「そういう意味じゃなくてっ……その、えっと……えっちなこと、しない?」
 彼女の言葉にいっとき呆ける。
 あーなるほど。そういうことか。この前、風呂場で散々啼かせてしまったのだが、どうやらそれを気にしているらしい。
「今日は別にそういうことしねェから。疲れを癒そうって提案だ。まあフレイヤがシたいなら話は別だけどな」
「……っ、し、しない!」
「そうか。残念だ」


ということで、このあと仲良くバラ風呂リラックスタイムに突入