こたつ

 付き合ってから初めての冬がやってきた。
 手足も凍るような、寒い日の夜。私は今はじめて彼氏であるサボくんの家に来ている。今日は一緒に住む兄弟が出かけているらしく、訪ねてきても大丈夫だと言われてお邪魔していた。
 三人暮らしの一軒家は二階建ての木造建築で、三人で住むにはだいぶ広く感じる。いろいろ事情があるみたいだから深くは聞いていないけど、両親は一緒に暮らしていないらしい。そもそも血が繋がっていない兄弟なのだそうだ。
 居間に案内された私はこたつでサボくんと年末年始の予定について話していた。バイトが入っているとか、年始は兄弟の誕生日があるから忙しいとか。でもその翌日なら空いてるとか。テレビがついているが、もはやBGMになっていて内容は入ってこない。
「ごめっ、足が……ッ」
「気にしなくていいよ」
 少し足を伸ばそうと思っただけなのに、運悪く向かいのサボくんに当たってしまった。一瞬触れるだけの些細な接触ですぐに謝ったけれど、なぜかサボくんは避けずにそのまま私の足を器用にからめとった。そして、つぅっと足首あたりから上に向かって滑っていく。どうしてそんな動きができるのだろう。
「ちょ、サボくんっ」
「……ん? どうした」
「どうしたって……ぁ、」太ももをするする撫でられる。だからどうして足の指がそんな器用なの。
 私の心の中を見透かしたように、サボくんが飼い主におねだりするときのような眼差しを向けてくる。
「嫌だったか?」
「そういうわけじゃ……」
「ならいいだろ」
 ――せっかく二人きりなんだしさ。
 そう言って、サボくんの足が私の足に絡みついてくるから私の心臓はバクバクと鼓動がはやくなる。彼女ができたのは初めてだと言っていた割に、ものすごく女慣れした態度が気になるが、絡まった彼の足が逃がさないと言わんばかりに足首をぎゅっと両足で挟んでくるものだから、聞く余裕が私にはなかった。

2025.12.12 現パロ 高校生or大学生のイメージ