きみ見酒

 任務から戻ったサボは、全部屋に設置されているというこたつに体を突っ込んだ。滞在先に選んだ宿がワノ国を模しているらしく、支配人の趣味だという。こたつや囲炉裏という言葉を、ここで初めて知った。能力を手に入れても、冬の寒さはやはり堪える。
「お疲れさま。お酒買ってきたから飲もう。この地域のおすすめだって」
 フレイヤが不思議な模様が描かれた徳利と盃二つを手にやってきた。向かいに座ろうとするので、あえて隣に座らせる。
「いいな、雪見酒」
 サボは受け取った盃で小さな祝杯をあげた。

 最初は普通に飲んでいたはずだったが、フレイヤが持ってきた地酒が想像以上に美味くて飲むペースがいつもより早い分、酔いが回るのも早かった。すっかり開放感に溢れていたサボはちびちび盃を傾けている彼女に視線を向ける。気づいた彼女がどうしたのと、無垢な顔して首をかしげる。ん、相変わらずイイ女だ。
フレイヤ、もっと近寄れ」
 サボは彼女の手を引いて膝の上に座らせる。そのまま温もりを感じたくて背中から抱きしめると、
「サボの体、すごく熱いけど大丈夫……?」ちらっと彼女が振り返った。
「ん。お前がいるから」
「ぁっ」
 フレイヤの身体が震えた。首筋に息がかかったせいかもしれない。意図したわけではないのだが、こういう可愛い反応をされるとつい苛めたくなってしまうものだ。
「どうしたフレイヤ。こんなに震えて」耳たぶを甘噛みする。
「んっ……」
 酒は理性をつかさどる働きを抑制するらしいが、今の自分は高揚感にあふれ、心身が解放的になり、愉しい気分になっていることは間違いなかった。
「可愛いなフレイヤ。もっと見せて」
 言ってから、フレイヤの身体をこちらに向けさせ唇を塞いだ。はじめは優しく啄むだけのキスが、段々と舌を絡めて互いを深く味わうような行為に変わっていく。
「……ふぁっ」
 ようやく唇を離したとき、フレイヤの表情がすっかりとろけていることに気づいてサボは口元をゆるめた。力が抜けてしまったらしく、こちらの肩にしがみついて息を乱している。
「まだキスしかしてねェのにとろとろだ」
「ぁ、やっ……そこ、」
 スカートの中に手を入れて太ももを撫でると、ぴくんと可愛らしくフレイヤの身体が跳ねる。酒も美味かったが、ここからは彼女を堪能することに決める。
「雪見酒は終わりだ。ここから先はお前を楽しむ時間にするよ」
 サボはフレイヤの首からのぞく白い鎖骨に唇を寄せて、そっと吸いついた。

2025.12.18 たし恋