あとがき的なもの


 『我が愛を喰らえ』全50話にお付き合いいただきましてありがとうございました。

 思えばこの話は、学パロを書いたあと「ローさんを出すことができなかったから次の作品には出したい」という思いと 拗らせたサボくんを書きたいという二つの思いから生まれた作品でした。
 ローさんを出したいだけなら三角関係にしなくてもよかったのですが、構想を練っていくうちに夢主がサボくんの元を離れてしまう可能性が出る展開になったので、ならローさんの過去を夢主に明かして心の距離を縮めようということになりました。
 また、そうすることでサボくんの心の中がぐちゃぐちゃになって自分の想いを認めざるを得ない状況を作ろうという……サボくんにはひどい仕打ちをしてしまったかもしれないです。でも推しなので、最後を考えるにあたってサボくんを幸せにしなきゃって気持ちがあり、結局こういう結末になった次第です。

 4月あたりの創作メモでも書きましたが、この作品は29話のサボくんを書きたいがためにあるようなものです。
 ローさんと夢主がどんな話をしてたのか聞きたくて仕方ないのに聞けない。モヤモヤしたまま自棄酒して酔ったサボくんが部屋を間違えて、夢主を道連れにそのまま床で寝る。 目を覚まして「何してんだ自分」って罪悪感いっぱいになってほしいし、でも久しぶりに夢主に触れて近くで感じて、溢れた想いを吐露する――これがどうしても書きたかったんです。

 国の内紛や事情はあくまでこちらの勝手な設定なので現実と関係ありませんし、オリキャラであるエリスの設定についてもがばがばな部分があるかと思いますが、どうか温かな目で見てくださると嬉しいです。

 ちなみに作品ページの黄色い花が今回のモチーフとなっています。幼い頃、サボくんが夢主へ渡したお花「ミモザ」であり、花言葉は「秘密の恋」。秘めた想いを隠して生きるサボくんを表しています。加えて、想いを打ち明けずに身を引いたローさんも併せて。

 ということで、50話という当サイトで一番長い作品となりました。こっちも番外編をぼちぼち書けたらいいなと思っています。
 2022.09.21